2011年09月15日

聖夜乙女雪乃 二章(6)



//雪乃
「やめて、もうやめてよぉ……お、お願いだから……ゆるしてよぅ……」

ガタガタと私の身体が震え、歯がカチカチとなり、息も荒くなってしまう。

地べたに丸まって、ただただ必死にそう願う。
自分が情けないという気持ちが胸の奥にじわりと浮かびながら、それでも身体が、心が痛くで動けないのだ。

どうして、知らない相手にこんな事を出来るのか?

そんな理由も理屈もわからない。
ただ、殴られる度、蹴られる度に、そこから身体は逃れようとビクビクと震え、鼓動の音がどんどんと高まっていく。

こうして、身体を縮こまらせて、オシッコ漏らして。
泣きじゃくっていれば、何かが変わるのだろうか……?

そんな疑問は浮かぶ。
浮かぶけど、次の瞬間には、不当な暴力によって私の気持ちが踏みにじられ、恐怖という感覚が再び襲い来る。

//雪乃
「やめて、もこんなの……やぁ……やだぁ……ネージュ……ネージュ……ッ、わたし……どうしたら、いい……の?」


許しを請う自分は何て情けないんだろう。
だけど、完全に心が折れてしまっている私は立ち上がることが出来なかった。
男たちは相変わらず攻撃の手を緩めてはくれない。

身体のアチコチが痛いし、頭を何度も殴られて気を失いそうになってしまう。
このままだと気絶してしまうかもしれない。

私がそう思ったときだった。
不意に私への攻撃が止んだのだ。

//雪乃
「え……?」

不思議に思いながら、私は恐る恐る視線を上げようとした。
そこで……。

//雪乃
「はぎいいいいいぃぃぃぃぃぃぃいっ!?」

うずくまっていた私のお尻に、何かが突き刺さる。
鋭い、何かが入り込むという異様な感触。

それはすぐに抜ける。
が、一拍の間を置いて、再び肛門に同じ衝撃が襲いかかってくる。

//雪乃
「あぎあああぁぁぁぁぁぁうぁぁ!!!」

何をされているというんだろう?

ただ訳も分からないままに、私のお尻が、肛門が何かで穿たれるように、激しい衝撃が襲いかかってくる。

//雪乃
「はぎいッ! あぐうっ! あぎゃぁっ! な……なに……な……いぐうっ!?」

私がそう戸惑いの声を吐き出している間にも、肛門に立て続けに打ちこまれてくる鋭い衝撃。
それが何かと身体をよじってみると、指だった。

両手を重ね、人差し指だけを伸ばしては、それを私のお尻に突き立ててくる。

//雪乃
「はぎゃいひいいいぃぃッ!? や、やめっ、やめ……てぐさぁっ!?」

 幾度も幾度もお尻の穴を執拗に狙われてしまい、痛みだけがさらに加速していく。
 こんな、恥ずかしい、お尻ばかり狙わないで欲しい……の……に……。

//雪乃
「ひっ、ひぐっ、う……うぁっ……うあぁぁぁ……」

 何だか訳のわからない、ひたすらにお尻へと指を突き立てられていく感触。
 それは私の心をヘシ折ろうとしているように、えげつなく、ただただ心にのしかかってくるようだった。

 二度……三度、四度……何回……?
 数える事が出来なくなり、私はただ泣き叫びながら、許しを請う。
 それが幾度か続けられて意識が飛びかけた所で、不意に衝撃に終わりが来た。


 顔をゆっくりと持ち上げる。
 そこには、好色そうな顔をした男たちの姿。

 男たちは、まるで飢えた肉食動物のような瞳で私をジッと見ていた。

//雪乃
「ひっ……」

 私の口から小さな声が漏れる。
 男たちの顔を見ると、これからされるであろうことが容易に予想されてしまい、私は身体を硬直させてしまう。
 逃げようとしても、私の身体は動かなかった。

//男1
「うへぇぇぇ」

 言葉ともうめき声ともつかない声を上げながら、男の手が私の身体へと伸びてくる。

//雪乃
「や、やだっ……触らないでっ!!」

 反射的に私はその恐怖から逃れようとしてて、男の人の手を振り払う。

//男1
「ちっ、クソが抵抗しやがってっ!!」

 男が忌々しげにとばかりの態度を見せながら呟き、乱暴に私の頬をはたく。
 痛みが顔全体に広がり、殴られた頬が熱を持つ。
 男はそれを何度も何度もしつこい位に続けてくる。

//雪乃
「や、いやぁぁぁっ!!」

 頬を殴られる度に私は悲鳴を上げる。
 私の悲鳴を聞くのはそんなに楽しいことなのだろうか、それとも興奮しているからなのだろうか?

 男の瞳はいつの間にかランランと気味の悪いくらいに怪しく光っていた。
 さっきまでの濁った瞳とは大違いだ。

//雪乃
「や、やだっ……触らないでっ……触らないでよぉっ!!」

 身体のアチコチに男たちの手が伸びてくる。
 男たちはもう殴ってはこなかったけれど、触られるのも気色が悪い。
 私の肌を見て興奮しているのか、男たちの股間は大きく盛り上がっていた。

『や、やだ……このままだと犯されちゃう……そんなのやだ……』

 殴られるのも犯されるのも嫌だ。
 恐怖に駆られた私は子供のようにジタバタと暴れまわる。
 その姿は惨めなものだったかもしれないけれど、私にはそんなことを気にしている余裕などない。

//雪乃
「やだっ、やだぁぁぁっ!!」

//男1
「ちっ、大人しくしろよ」

//雪乃
「やぁぁぁぁっ!! 触らないでっ、こないでよぉっ!! 離してっ、離してぇっ!!」

//男1
「うるせーな」

 いくら言っても大人しくならない私に腹が立ったのか、男が私を力一杯殴りつける。

//雪乃
「ひぐぅっ!!」

 力ませに頬を殴られ目の前が一瞬真っ暗になってしまう。
 すぐに視界は戻ったけれど、殴られたショックで私の抵抗は弱いものになる。

//男1
「おらぁっ!!」

//雪乃
「やぁぁぁっ!!」

 今度は腹部を殴られてしまい、あまりの衝撃に私の身体が九の字に曲がる。

//男2
「俺にも、殴らせろよ」

//雪乃
「や、やだ……も、もぅ……やめてっ……いやぁぁぁっ!!」

 男たちがよってたかって私を痛めつける。
 四方八方から男たちの手や足が伸び私を襲い、私はろくにガードも出来ずに攻撃を受け続けてしまう。

//雪乃
「もうやだ……お、おねがいっ……だからっ、やめっ……やめてよぅ……」

 ふるふるこ小刻みに震えながら、私は必死に男たちに懇願する。
 そんな自分の姿はとても情けないものだったけれど、私にはもう自分一人だけでは立ち上がるだけの気力はなかった。

//男1
「殴られたくないか?」

 私の顎を乱暴に持ち上げて、男が私の顔を見る。
 男の言葉に、私は子供のようにウンウンと何度も頷く。

//男1
「そうか、いい子だ。ならいい加減、わかるよな」

//雪乃
「えっ?」

 男が何を言っているのかわからない。
 ただ、怯え、戸惑う私の前に……でろんと、男の人の股間にぶら下がっている。
 グロデスクな物体が、私へと突き出されてくる。

//雪乃
「ひっ!! な、なにを……」

 男たちの突然の行動に驚いてしまう。
 目の前にさらされる肉棒に、私は慌てて目を背けようとするけれど、男が頭を押さえつけてそれを許さない。

//男1
「おら、跨がれよ」

//雪乃
「えっ……また……が……る?」

 男が私に命令する。

//男1
「ったく、イチイチ言わないとわからないのかよ。 自分で俺に跨って俺のチンコ入れろって言ってんだよ」

//雪乃
「そ、そんな……」

 男の言葉に愕然としてしまう。
 自分から男の肉棒を受け入れるなんて、そんなこと私に出来るわけが無い。
 男はそんな私の気持ちを察したのか邪悪な笑みを浮かべて私を見る。

//男1
「別に言うこと聞かなくても良いんだぜ? その代わり、わかってるよなぁ?」

 無言の圧力を感じてしまう。
 言うこと聞かないなら、殴って言うことを聞かせるということなのだろう。
 もう痛い思いをするのは嫌だ。
 私は恐る恐る身体を動かして、男の身体の真上に立つ。

//雪乃
「うっ……」

//男1
「ほら、どうしたよ」

 男に促されて、私は腰を下ろしていく。
 私の股間に男の肉棒が当たり、私は思わず飛びのいてしまう。

//男1
「ちゃんとしっかり握って、入れろよ」

//雪乃
「わ、わかってるわよ……」

 意を決して、私は男の肉棒を握る。
 ビクビクと脈打つ男の肉棒が気持ち悪いけれど、私は耐えながら自分の股間に肉棒をあてがう。

//雪乃
「う……うぅっ……」

 ゆっくりゆっくりと、私は自分の股間へと男の肉棒を挿入していく。
 だけど、男は我慢が出来なかったのか一気に腰を突き上げて私の膣内へと肉棒を乱暴に挿入してきた。

//雪乃
「ひぎゃあああああぁぁぁぁぁぁ!!」

 それは……私が、初めて男の人に犯された最初の記憶だった。
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2011年08月17日

聖夜乙女雪乃 二章(5)



//雪乃
「も、もしかして……」

『夢憑き』という単語が私の脳裏に浮かび上がる。

私は影の正体を確かめようと、勢い良くビルの中へと駆け込む。
そして……不穏な空気が、肌をゾワリと撫でるような感覚に襲われ、自然と立ち止まってしまう。

『か、囲まれてる?』

いつの間にか、たくさんの視線が私の身体に絡み付いてた。
どう反応したら良いのかわからずに、私はその場に立ち尽くしてしまう。

私の身体に絡みついた視線は一向に消えず、それどころかさらに視線は増えているかのように感じる。
影からコソコソ見られる感触に、背中に冷たい汗が流れる。

//雪乃
「な……に、これ。気持ち悪い……」

私の声がモノクロームの世界にこぼれては、スッと消えていく。
その間も周囲から私を見つめているような視線は、肌にゼリーを塗られているようにネットリと張り付いていくようにまとわりつく。

ザリッ

//雪乃
「ッ!?」

砂利を踏みしめるような音に、思わず身体をこわばらせ、そちらへと視線を向ける。
すると、ゾロゾロとあちこちから男たちが私の前に姿を現してくる。

男たちの顔には生気がなく、瞳は腐った魚のように濁っていた。

明らかにまともでない様子がわかってしまい、私はゴクリと喉を鳴らす。
男たちはジワリジワリと間合い詰め、気がついたら私は男たちに取り囲まれていた。

『こ、こういう時はどうしたら……?』

私の額に汗が浮かぶ。

いつものような化け物なら有無を言わさずに攻撃を加えるのだけど、ここにいるのは『夢憑き』……つまり、人間な訳で。

私が魔法少女の力で相手を殴りつけたら、どうなっちゃうんだろう?

化け物が相手なら、殴ったり、蹴ったりしないと、私が犯されちゃうのだから……倒さなくちゃいけないって考えられる。
だけど、この男の人達にそんな事をしたら、死んじゃうかも……しれない。

//雪乃
「こ、こないで……ッ!」

だけど『夢憑き』の男達は私の言葉など気にもならないようだった。
空ろな瞳のままで私へと迫ってくる。

『と、とりあえず、逃げないと……っ。こんなの、恐い……訳わかんないよ……ッ!』

辺りには私しかいない。
自分一人で対処が出来ない以上は、サンタ少女にアドバイスを貰うべきだ。

そう思い、私は慌てて後ろを振り向き……


//雪乃
「えっ!? は、はぐっ!!」

驚いて棒立ちになっていた私の腹部に衝撃が走る。
見ると、男の拳が深々と突き刺さっていた。

//雪乃
「そ、そんなっ……い、いつのまに……」

私はいつ男に攻撃されたのか全くわからなかった。
混乱しながら、私は腹部を殴られた痛みに顔を歪ませてしまう。

//雪乃
「くっ、こ、このっ……」

ここで倒れ込む訳にはいかない。
痛みに耐えながら、私は再び拳に魔力を集中させる。
だけど、それよりも早く再び私の腹部に男の拳がめり込む。

//雪乃
「えぅっ……うぇっ……」

腹部を殴られた衝撃で息が出来ない。
集中力も途切れてしまい、私の意識が混乱して、どうしたらいいのかわからなくなる。

『ま、まずい……』

魔力を集めて……この場を切り抜けようと集中するけれど、痛みがそれを邪魔する。

何よりも、目の前にいる物言わぬ男たちの威圧感に私は完全に怖気づいていた。
男たちは未だに抵抗しようとしている私に容赦なく拳を振るってくる。

すでに避けるだけの力は私には残っていなかった。

//雪乃
「うぁっ……あ、あぐっ……」

男の拳を腹部に何度も喰らってしまい、私はとうとう地面に片膝をついてしまう。

『こ、このままだとっ……だ、だめなのにっ……』

顔をしかめながら、私は何とか立ち上がろうと身体に力を込める。
同時に、痛みで上手く集中できなかったけれど、それでも集められるだけの魔力を集めようとする。

男たちは魔力に反応しているのか、私が魔力をためる度に意思なんて全然こもっていない瞳で攻撃を仕掛けてくる。

その姿は私に恐怖心を頂かせるには充分すぎる姿だった。

逃げようだとか、抵抗しようという気持ちより。
殴られる恐怖から逃れる為に身体を丸め、相手から逃れたい一心で必死に叫ぶ。

//雪乃
「や……やだっ……こないでっ……もうっ……やめてよぉっ!!」

恐怖に我慢出来なくなった私は、ついに男たちに許しを乞う悲鳴を上げていた。
だけど男たちの攻撃は収まらない。
わらわらとまるで砂糖に群がるアリのように私の身体へと殺到してくる。
もう魔力を集中してためるどころでは無かった。


男によって掴まれた腕を降りほどこうとした途端、別の男の手がどこからか伸びてきて私の身体の自由を奪う。

//雪乃
「やぁぁっ……こ、このっ……離してっ……」

いくら抵抗したところで多勢に無勢で私にもうどうすることも出来なくなっていた。

『こ、このままじゃ……な、なんとか……何とかしないと……』

男たちの輪の中で一方的に殴られながら必死に良い案はないかと考える。
だけど集中して考えることも出来ないこんな状態では良い案など出るわけがない。

時間だけがただ無常に過ぎていく。

//雪乃
「や、やだっ……ちょっと、やめて、触らないでぇッ!!」

男たちに押さえつけられて、揉みくちゃになりあちこち引っ張られたせいで私の服が破れる。

大勢の男たちの前に私の素肌がさらされてしまう。
いきなり素肌を露出させられて、私は恥ずかしくて悲鳴を上げてしまう。

//雪乃
「やめてっ!! このぉっ、離してぇぇっ!!」

私は真後ろに立った男の人から逃げようと、反射的に相手の顔を殴りつけていた。
男は無言で何も言わずにその場へと倒れ込む。

//雪乃
「え、あ……ッ、ど、どうしよ……ぅ」

いくら慌てていたとはいえ、今すごく勢い良く殴っちゃったような、気がして。
その場で倒れてしまった相手に対し、恐怖感が襲いかかってくる。

//雪乃
「え……あ……ぅぁ……ぁ……やだ、やだやだ……こんなの、い……やぁ……」

男たちはいつの間にかさらに数を増していた。
一体いままでどこに隠れていたのかというくらいの人数が私を取り囲んでいる。
私の顔から血の気が引いていくのがわかった。

『逃げなきゃ……逃げなきゃ、逃げなきゃ……こんな、こんなの……いや、いや』

気弱になって、私の抵抗が弱まった途端、私の後頭部に衝撃が走り抜ける。
そして、男たちの群れがそれを再び合図にして私の身体へと激しく攻撃を一方的に加えてきたのだ。

//雪乃
「うぐっ……いぎっ……うぁぁっ……」

腹、頭、私の身体中おかまいなしに男たちの殴る蹴るの暴行が始まる。
着ている服は暴行を受けるたびにボロボロになっていき、その度に私の肌が男たちの前にさらされていく。
防御もほとんど意味をなさずに、私の身体にはダメージばかりが蓄積されていく。

//雪乃
「もうやだ……やだぁ……」

暴行の嵐に耐え切れずに、私の口からは弱音が漏れてしまうけれど、男たちは私の言葉などには全く耳を貸してはくれない。

『もう、やぁ……痛いのはっ……やぁぁ……』

私は涙を流しながら、再び地面へとしゃがみ込んで身体を丸める。
もう戦う気力なんてちっとも残ってなどいなかった。

早くこの時が過ぎれば良いのにと、そんなことばかり考えていた。

//雪乃
「もうやだっ……お願いだからっ……お願いだからもう止めて……」

地面に亀のように丸まりながら、私は必死にそれだけを言い続ける。
だけど男たちの攻撃は一向に止まる気配が無い。
背中に容赦なく男たちの足が降ってくる。

//雪乃
「いやぁっ……い、痛いっ……もう、やぁ……あ、謝るからっ……謝るから許してよぅ……」

もうプライドも何もなかった。
私は男たちの攻撃に耐えながら、止めて欲しいと懇願し続けることしか出来ない。

//雪乃
「ごめんなさい、ごめんなさい……お願いですから……も、もぅ……いじめないで……いじめないでくださいっ……」

ジワリと股間が湿り気を帯び、私は男達に殴る蹴るされながらオシッコを漏らし始めてしまう。
痛くて、恐くて、殴られるのも蹴られるのもイヤで。
ただただ、言葉が通じない相手にどうしたらいいのかも分からずに、全身を震わせて恐怖に怯えてしまう。

地面に突っ伏しながら許しを乞う姿はどれだけ惨めなものだろう。
だけど、いまの私にはそんなこと気にする余裕などない。

雨あられのように男たちの攻撃を受け続けながら、私はいつまでも泣きながら謝り続けていた。

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2011年08月03日

聖夜乙女雪乃 二章(4)

//雪乃
「さて、それじゃ行ってくわるわね」


//ネージュ
「うん、私もすぐに行くから気をつけて」


//雪乃
「了解」


私はネージュよりも先にモノクロームの世界へと出かけていく。

魔力を失っているネージュをいきなりモノクロームの世界へと連れて行くのは危険過ぎる。

いきなり化け物に強襲される可能性だってある。

だからここ最近は私が先に侵入してから、ネージュがやってくるのが当たり前のことになっていた。

モノクロームの世界を感知して、私は魔力の波長をモノクロームの世界に合わせていく。

そうすることによって、私の身体はいとも容易くモノクロームの世界へと入り込む。

鮮やかな色が散りばめられていた現実世界が見渡す限りの単色に変わっていく。

//雪乃
「いつ来ても、つまらない世界」


色のない世界を見て、私は思わずそんなことを呟いてしまう。

何度もこの世界で化け物と戦って慣れてしまったせいで、私はこのモノクロームの世界を観察する余裕が生まれていた。

といっても、この世界にいるのはグロテスクな触手を使って攻撃してくる化け物だけだ。

そして、そんな化け物に私は興味なんて惹かれない。

だからいつもこの世界を隅々まで探索することはなかった。

//雪乃
「さて、今日はいるのかしら……」


だけど今日は違う。

先日見かけた男性を探すという目的がある。

もしもあの男性がネージュの言っていた『夢憑き』であるというのなら、このモノクローム世界の住人だということを改めて教えられた。

化け物の他には人なんて住んでいないとばかり思っていた私にとって、ネージュの言葉はかなり衝撃的なものだった。

何よりも『夢憑き』になってしまったら、普通の生活をもう送ることは出来ないということに少なからずショックを受けてしまう。

『見間違いだったら良かったんだけどなぁ……』

ネージュからそんな風に色々な話を聞いてしまったら、そう思いたくもなってくる。

いまいち気の進まない気分で私はモノクロームの世界を探索する。

どこに行っても相変わらず人の気配なんて皆無。

私の歩く音だけが何も音の存在しない世界に響いている。

『うーん、やっぱりこの前のは気のせいだったのかな……』

何だかんだで結構歩き回り、最初は色々と警戒していた私だったが、いつの間にか警戒心を解いていた。

いつまで経っても、化け物も、ましてや『夢憑き』も現れない。

そうなると、このモノクロームの世界でやることはなくなってしまう。

『帰ろうかな……』

踵を返して、私はいま来た道を戻ろうと振り返る。

//雪乃
「えっ!?」


私が振り返ったとほぼ同時に、黒い影がビルの影へと消えていくのが見えた。

『え、いまの……見間違いじゃ、ないよね……』

影が消えた場所をマジマジと見つめていると、いきなり背後に視線を感じた。

私は慌てて振り向く。

そこには似たような影がビルの隙間に消えていくのが見えた。

全体像を捕らえることは出来なかったけれど、消えた影は化け物の大きさではなかった。

そう、言うなれば人間のような……。



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2011年07月27日

聖夜乙女雪乃 二章(3)


その日も、私はモノクロームの世界で化け物と戦っていた。

//雪乃
「うりゃぁぁぁっ!!」


触手の攻撃をかわして化け物に接近しての一撃。

魔力を帯びた私の拳が化け物の身体深くにめり込んでいく。

身の毛もよだつような不気味な断末魔を上げながら、化け物はゆっくりと地面に倒れこむ。

//雪乃
「ふぅ、一丁上がりっと」


化け物が死んだのを確認してから、私は額の汗を拭う。

これで何匹化け物を倒しただろうか。

途中から数えるのが面倒になるくらいに、私は化け物を倒していた。

ネージュとの修行の成果もあり、ここのところは特に苦戦することもなく勝利を重ねている。

だからとって油断など出来るわけもなく、私は一応まだ化け物はいないかと辺りに気を配る。

//雪乃
「うん、近くにはもう居ないようね」


他に化け物の気配はしない。

モノクロームの世界を作り出している化け物はこれ一匹だったようだ。

化け物というこのモノクロームの世界を作り出している主が死んだのだから、もう少しで世界はまた元通りになるだろう。

私は警戒を解いて世界が元の色に戻るのを待つ。

そんな時だった。

モノクロームだった世界の隅に小さな色が存在していた。

//雪乃
「あれっ?」


不思議に思って私は視線をそちらに向ける。

//雪乃
「えっ、な、なんで……」


私の目が驚愕に見開かれる。

誰も居ないはずの世界だというのに、私の視線の先には、一人の人間男性の姿があったのだ。

もしかして、化け物に襲われた人間かもしれない。

突然化け物に襲われて運良く逃げ出せた男の人。

それが私が考えたここに男の人がいる理由だった。

『どうしよう、見ちゃったからには話しかけた方が良いのかな……』

まさかモノクロームの世界で私とネージュ以外の人間に会うとは思わなかった。

「でも、私が魔法使いだってバレると色々と面倒なことになりそうだし。
ネージュに相談した方が良いかな……」


ネージュはこんな時に限って席を外している。

さすがに私一人ではこんな時にはどうしたら良いのかわからない。

モノクロームの世界で他の人間に会った時はどうしたら良いのかなんて教わってはいないのだ。

//雪乃
「あ、あれっ?」


私がどうしよかと逡巡しているうちに、いつの間にか男性の姿はそこに無くなっていた。

『き、気のせいじゃないよね?』

男性の姿を探して、私はキョロキョロと辺りを見渡す。

だけどそこにはもう男性の姿はなかった。

まるで煙のようにふっと綺麗さっぱり男性は消えていた。

//雪乃
「…………」


このまま帰るのもはばかられた私は少しだけ辺りを探索してみるけれど、男性は見つからなかった。

『う〜ん、白昼夢でも見たのかしら……』

ここ最近は特訓とか化け物との戦闘とかで疲れもたまってる。

さらに昼間は学校にも通っている。

疲れがたまってないと言えば嘘になる。

だから幻影を見てしまうというのもわからないでもないけれど。

『だけど、その割にははっきりと見ちゃったしなぁ……』

あれは現実だったのか幻影だったのか私にはいまいち判断が出来ない。

でも、探してもいないということは何かの見間違えだったのだろう。

『うん、そうしよう。
そうに違いない』

本当に居たのかどうかもわからない。

それに、化け物と戦って疲れていた私は捜索も早々に打ち上げる。

一応、現実の世界に帰ったらネージュに聞いてみよう。

私はそう結論付けて、現実の世界へと帰還していった。

次の日、学校終わりにいつものようにネージュと特訓していた私はふと昨日のことを思い出してネージュに聞いてみた。

//雪乃
「そういえば昨日、あの世界に男性が居たような気がするのよね」


//ネージュ
「ええっ!! それ本当?」


私の質問にネージュは大げさと言って良いくらいに驚いた。

その様子に私も驚いてしまう。

//雪乃
「な、なによそんなに驚いちゃって」


//ネージュ
「ご、ごめんなさい。
でも、それって間違いないの?」


//雪乃
「わ、わかんない。
すぐに消えちゃったし見間違いだったのかも……」


私がそう答えると、ネージュは難しい顔をして何やら考えているようだった。

時々私の耳にブツブツ言っているネージュの独り言が聞こえる。

いてもたってもいられなくなり、私はネージュに詰め寄る。

何か知っているのなら、それを私にも教えて欲しかった。

//雪乃
「なにか心当たりがあるのなら教えてよね」


//ネージュ
「う、うん……。
ええとね、もしかしたらあなたが会ったのは『夢憑き』というモノかも知れない」


ネージュの口から『夢憑き』という聞きなれない単語が漏れる。

その口ぶりから察するに、あまり良い意味の言葉ではないようだった。

そう思いながら、私はネージュの説明に耳を傾ける。

私が大人しく聞く体制に入ったせいか、ネージュは息を一つ吐いて言葉を続ける。

その目つきはとても真剣なものだったので、私は思わずその場で身を正してしまう。

//ネージュ
「『夢憑き』というのは、なんていうか……そう、突然変異みたいなモノなの」


言葉を整理しているのか、ネージュは少し考えてから言葉を続ける。

//ネージュ
「男性は本来、耐性が無いからモノクロームの世界では自由に動く事ができないの。
身動きすら出来ないはずなの。
だけど、どうしてだかはわからないけれど『夢憑き』にやられた相手は動き回る事が出来るの」


//雪乃
「へ、へぇ……」


当然のことながら、それは私が始めて聞くことだった。

驚いている私を尻目にネージュはさらに言葉を続けていく。

//ネージュ
「ただ、本来の適性を持ち合わせている訳では無いので、魔力を使い戦うような真似は出来ない」


//雪乃
「な、なるほど……魔力を使ってはこないけれど、戦いは避けられないのね……」


いくら魔力を使わないといっても、人間と戦わなければならないという事実に思わず冷や汗が出てしまう。

化け物となら戦えるけれど、人間相手だとどうだろうと、私はそんなことを考えてしまう。

何も実害がなければ逃げる選択肢もアリかもしれない。

私は一人そんなことを思う。

だけど、続けて出たネージュの言葉は想像を絶するものだった。

//ネージュ
「『夢憑き』は化け物の影響を多大に受けているために、私たちを孕ませようと襲いかかってくる事もあるの」


//雪乃
「えええ〜」


ネージュの言葉に身震いしながら声を上げてしまう。

『夢憑き』とかいうモノが私たちを犯そうと襲い掛かってくるのなら戦いは避けられない。

元は人間なのに、私に戦えるのだろうか。

難しい顔をして考え込んでいる私を見て、ネージュも思案顔になってしまう。

私の葛藤を感じたのだろう。

二人ともそのまま言葉もなく固まってしまっていた。

私の勝手な意見だけど、ネージュにとっても『夢憑き』というのはレアな存在だったのだろう。

だから私に余計な心配をかけまいとして、その存在を教えなかったのではないだろうか。

私が『夢憑き』の存在を知ってしまったら、今みたいに考え込んでしまうことがわかっていたから。

ネージュのそんな優しさに、事態は困ったことになっているけれど、私は不謹慎にも嬉しいなと思ってしまった。

//雪乃
「ふふっ」


思わず私の口から笑みが漏れてしまう。

//ネージュ
「ど、どうしたの突然?」


//雪乃
「ううん、なんでもない」


私が笑ったせいで、思いもよらずに場の空気が少しだけ軽いものになった。

ネージュもどこか気の抜けた顔をして微笑んでいる。

何度も二人で化け物と戦ってきたせいで、知らないうちに私たちは少しだけ強くなっているようだった。

とはいっても、私たちにはモノクロームの世界で見た男性が本当に『夢憑き』かどうかなんてわからない。

私は『夢憑き』なんて存在をたったいま聞いたばかりだし、ネージュはその場にはいなかったのだから。

//雪乃
「まぁ、ここでこうやって考えてても仕方ないか」


私の言葉にネージュも神妙な顔をして頷く。

気にならないといったら嘘になるけれど、真実を知るにはまだまだ情報が足りない。

//ネージュ
「でも、『夢憑き』かも知れない男性がいるかも知れないということは、きちんと心に留めて注意してね」


//雪乃
「わかってる」


ネージュの言葉に、私も真剣な面持ちで頷いた。

見上げた空は青く澄み渡っていたのに、私たちの心の中は言い知れぬ不安に曇っていた。
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2011年07月20日

聖夜乙女雪乃 二章(2)


//雪乃
「うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁああッ!? え、あ……今のは……ゆ……め……?」


 夜中、不意に目が覚める。
 どんな夢を見ていたのかはハッキリと覚えていないのだけれど、全身にびっしょりと汗をかいている。


 股間の奥が熱く、未だに何かが挿入されているような違和感があった。
 確かめるのは恥ずかしいと思いながらも、服の上から指を股間へとあてがっていく。


 ぐにっ


 化け物によってこじあけられた私の膣口は、柔らかく指先で容易に変形する。
 指先に伝わる感触は、凌辱によって肉ヒダが少し形を変えられてしまった事実を改めて認識させてくる。


 そして、何かが挿入されているような違和感は、気のせいだった。
 布越しに指先に何かが触れるような事も無い。


 何か、が挿入されている感覚。
 それは間違いなく指先よりも太い物であったような、あの時に私の股間を蹂躙した太さがあるはずだったが。
 今はその感覚が完全に消失している。


//雪乃
「私のおまんこ……完全に、壊されちゃったのかなぁ……」


 過去にあった出来事は、私の中に小さなトゲとなって心に刺さり、それは時々私の気持ちを不安にさせてくる。
 それと同じようにして、自分の股間を蹂躙した化け物による凌辱は、すっかりとイヤな記憶として私の中に刻み込まれている事を痛感した。


 とりあえず今は全身にまとわりついている汗を洗い流そうと、服を脱ぐ。


//雪乃
「酷い身体ね……」


 鏡に映った自分の身体は、凹凸の少ない……正直、胸は小さいを通り越して薄い。
 それでいて、股間の部分だけは以前と違い、秘肉が歪になってはみ出ている。


 数日前から理解している事なのに、事あるたびに私は自分の股間を気にしては、それが歪んでいる事を確認してしまう。
 そして確認するたびに改めて思ってしまうのだ、自分は化け物に純潔を奪われてしまった女性なのだと。


 ひとしきり自分の身体を眺めてから、ため息をつく。


 どうせ変える事の出来ない過去だから、早く忘れてしまいたいのだけれど……。





 化け物と戦いながらの特訓の日々が続く。

 実践に勝る修行はないと言われるけれど、確かにそれはその通りだと思った。
 死と隣り合わせの緊張感の中で化け物と戦っていると、嫌でも真剣になり集中力も練習とは違い高まっていく。


 この日もそうだった。
 モノクロームの世界の中で、私はネージュに見守られながら化け物と戦っている。


//雪乃
「うわっとっ!!」


 目の前に迫ってくる触手をかわす。
 触手は私の身体をかすめて、アスファルトの地面に大きな穴を開ける。


//雪乃
「うぁぁ、あんなの喰らったらひとたまりもない……ッ」


 化け物の放つ触手の破壊力を見て、私の背筋に冷たいものが流れる。
 今度の敵はなかなかレベルが高そうだった。
 それがネージュにもわかるのか、彼女は心配そうな視線を私に向ける。


『でも、大丈夫。当たらなければ……どうにでも……なる!』


 ただ、相手の攻撃を目で追う事が出来る。
 どのように動くかを判断しながら身体を動かして、十分に回避可能だ。


 どれだけ相手が破壊力を持っていたとしても。
 それが当たらない限り、私が負ける事は無いのだから……。
 私が襲われる事にもならないッ!


『集中、集中……』


 もちろん、その間も魔力を拳に集中させていくのも忘れない。
 ここのところの特訓のおかげで、私はスムーズに魔力を移動させることが出来るようになっていた。


 自分の身体の中で血液のように流れている魔力を一箇所に集めるべく集中する。
 集中して意識することで、私は体内に存在している魔力をズラして一箇所に集めていく。
 体内の魔力が凝縮されて私の拳に収束していく。
 今まで以上の魔力の充填を感じ、私の拳が熱い位の熱を持つ。


『これ、すごい……』


 自分自身が集めた魔力量に思わず自分で驚いてしまう。
 それくらいに私の集めた魔力量は今までとは違っていた。
 化け物にもそれがわかったのだろうか、私へとたくさんの触手を放ってくる。


 一撃でも喰らったら悶絶してしまいそうな化け物の攻撃だけど、集中している私には触手の動きが全て見えていた。
 迫ってくる触手を紙一重でかわしながら、私は化け物へと一歩一歩近づいていく。
 そしてついに、化け物は私の手の届く範囲に入り、私は拳をグッときつく握りしめ、腕を振りかぶる。


//雪乃
「うりゃぁぁぁぁぁっ!!」


 化け物の最後の攻撃をかわし、私は魔力を帯びた拳を叫び声と共に化け物へと叩きつける。
 聞くに堪えない化け物の断末魔が辺りに響く。
 私の拳は、化け物の身体に深々と突き刺さっていた。


//雪乃
「ふぅ……」


 化け物を倒したことを確認して、私はその場で大きく息を吐く。
 化け物が死んで安全だと確信したのか、ネージュがすぐに私の側へと駆け寄ってくる。


//ネージュ
「お疲れ」


//雪乃
「うん」


 私たちは、二人で倒したばかりの化け物を見下ろす。
 化け物はピクリとも動かない。


//ネージュ
「だいぶ強くなったよね」


//雪乃
「そう……なのかな……」


 だいぶ、と言われてもまだ自分ではよくわからない。
 確かに以前よりはちょっと魔力を制御出来るようになってきたとは思うけど。


 ネージュに褒められて、私は照れ笑いを浮かべてしまう。
 あまり褒められることに慣れていない私のとっては、ネージュの言葉は、私の心にじんわりとした暖かさを与えてくれる。
 ただ単純に、それがとても嬉しい。


 いくら時間が経ったところで、まだ化け物と戦う事や犯されるかも知れないという恐怖は消えない。
 だけど、誰かに必要とされ、誰かの為に何かをするということはとても達成感のあるものだ。


 化け物と戦う恐怖や犯される恐怖、そして変形してしまった自分の性器を感じる度に思い出される恥辱の記憶。
 そういった負の感情は、褒められるという事で相殺されていく。


『負けなければいい』


 負けなければ犯されることもない。
 それに、ネージュの期待にも応えられる。


//ネージュ
「どうしたの?」


//雪乃
「ううん、なんでもない。それより、私はもっともっと強くなるから」


//ネージュ
「えっ?」


//雪乃
「もっともっと強くなって、化け物なんかに絶対に負けないようになるから」


 ネージュの目を見てはっきりと宣言する。
 私の突然の言葉にネージュは驚いたようだったけれど、私の視線が真剣だというのがわかったのだろう。
 ネージュは少しだけ微笑んで、それから力強く頷いたのだった。

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2011年07月13日

聖夜乙女雪乃 二章(1)



//ネージュ
「そう言えば、おかしな話ね。幾度も助けてもらったのに、あなたの名前をまだ知らなかったなんて」


//雪乃
「私も、名前知らなかった……ね」


 お互いに手を伸ばし、握りあって。
 名前を伝え合った日。
 それは私の中で忘れられない瞬間となり、心に記憶として刻まれた。


 自分が誰かを助ける事が出来る……自分の中に、何かが出来るという事実がある。
 それが何よりも、単純に嬉しくて、嬉しくて、たまらない。


 そんな日を経て、私はサンタ少女……ネージュと名乗った彼女と、一緒に過ごす時間が増えるようになっていった。
 何の因果かわからないけれど、魔力というのをこの身体に宿してしまった自分。
 それは自分のからっぽだった心の真ん中に、素敵な熱を灯しているようだった。


//ネージュ
「上手く魔力が溜まってないみたいだね、雪乃。もうちょっとイメージを頭の中に浮かべてみるといいんじゃないかしら」


//雪乃
「え、う、うん。えっと……イメージ、って?」


//ネージュ
「しっかりと魔力を集めたい場所に『ここに溜めるぞー』って魔力を圧縮するイメージを持つ感じ。この場所に溜めようって思考を持つ事かしらね」


//雪乃
「圧縮するイメージ……圧縮、圧縮……押し潰して、まとめ上げていくような……」


ネージュに言われた圧縮するイメージを描くように、私は集中してみる。
身体の中ではまるで血液が流れるかのように、魔力が身体中を循環している。
そんな不思議な流れが存在していた。


腕に力を込めようとすれば、その魔力は一箇所へと流れていくのだが、それを上手く溜める事が出来ない。
そこで、さっき言われた圧縮するというイメージを頭の中に描いてみる。


拳がじんわりと温かくから熱くへと変化していき、私の拳に魔力が集中していくのがわかる。
横目でチラリとサンタ少女を見ると、彼女はウンウンと頷いていた。


//ネージュ
「おっけーい!」


 その言葉に私もうなずいて、腕に魔力を溜めていた状態から集中を解く。
 再び魔力の溜めが無くなると自然と魔力は再び身体の中を循環するように、元の流れになっていった。


 先日に現れた化け物と安全に戦う為、なんて言い方は変かもしれないけど。
 魔法少女として、魔力の使い方を学ぶ事によって、リスクを減少させていく事が出来るようになる。


 自分で言うのも何だけど、こうやって色々と教えてもらっているうちに、私は何となくだけど魔力の使い方というものに慣れてきているような気がする。
 この力をもっと上手く使いこなすには、魔力について私がもっともっと理解する必要があるだろう。


 とはいえ、私の住む世界には魔力についての参考書なんていうものは存在しない。
 中世の人たちが研究していた錬金術とは訳が違うし、そんな本がもし手元にあったところで何の役にも立たないであろうことは私でもわかる。


 でもそんな、学校などで学ぶ事が決してない知識。
 それを自分が理解して、体得し、徐々に自分の力として蓄えていく事が実感を伴っている状態。
 不謹慎かもしれないけれど、それは何だか心地良くすら感じられた。


//ネージュ
「さてと、今度は魔力を広く集めるというやり方をしてみようかしらね」


//雪乃
「広く、集める? ごめんなさい、何だかよく分からないんだけど」


//ネージュ
「傘ってあるじゃない、雨の日や雪の日に身体を守る為の道具。あんな感じに、魔力を使って身体を守ろうって方法……そうね、傘を作るって考えてもらえるとイメージがしやすいのかもしれない」


//雪乃
「傘を……作る?」


 言われるままに頭の中でイメージをしてみる。
 傘の具体的な形はわかっているから、それを魔力でそれっぽい形を作り上げていくという事になるのだろうけど。


 拳みたいに一箇所に集中させるのと違って、流れが上手く整える事が出来ない。
 今まで何度か使った事のある拳に魔力を集中させるのとは違い、傘という一つの形を作り出していくという事。
 それは今までとまったく違う出来事だった。


//雪乃
「あれっ、なかなか……うまく……」


 なかなかコツが掴めないうちに、私の集中力が切れて、魔力は粉々に体内で分散していってしまう。


//ネージュ
「はい残念でした、もう一度最初からやりなおしかなー」


 魔力の形成に失敗した私を見ながら、ネージュはそんな言葉を口にして微笑む。
私は再び集中して、体内に散らばった魔力を集めていく。
 血液のように体内をくまなく流れている魔力を意識して、一箇所にかき集めていく。


『集中……集中……』


 さっと同じように、魔力が充填されていき、私の拳が熱を帯びてくる。


『拳だと、慣れてるから簡単なんだけどなぁ……』


 集中を切らさずに、私は拳に集まった魔力を傘の形へと変形していくイメージを頭に描いていく。

『集中して……ゆっくり……』


 拳にたまっていた熱がゆっくりと動き出し、手のひらからゆっくりとそれが身体の外側へと抜けていき……。


//雪乃
「あ、れ……?」


 身体から離れた魔力はそのまま、空気の中に拡散していく。
 ドライアイスが溶けるように、私の魔力は形にならずに、ただ散っていくばかりだ。


//ネージュ
「中々上手くいかないって所かしらね。まあ、身体の外側に魔力を出していくというのは一朝一夕で出来るような物じゃないから、慌てずに行きましょうか」


//雪乃
「うん、そうだね。わかりました」


 どうやら今日はここまでという事なんだろう。
 うなずいて私は魔力の集中をやめて、全身をリラックスさせる。
 変身していた状態から、普段通りの自分の姿へと戻った。


 魔法少女になってからまだ一ヶ月も経過していないのに。ずっと昔から、こんな生活を送っていたんじゃないだろうか。
 そんな気がするぐらい、私の日々は充実していた。

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2011年02月14日

バレンタイン2011

更新準備前、晒し物中……

ネージュ_2011バレンタイン絵_a.jpg
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2011年02月03日

聖夜乙女雪乃 一章(8)



化け物を倒せた安心感からか、私の身体から力が抜けていく。
その場に立っていられなくなり、私はその場によろよろとへたり込んでしまう。

//雪乃
「あ、あはははは……やった……」

私が地面にペタリと座り込むと地面が濡れていたのか冷たい感触が下半身に伝わってくる。
視線を下に向けると、私はどうやら失禁していたようだった。

//雪乃
『や、やだ……こんなところで漏らしちゃうなんて……』

辺りに誰もいないとはいえ、街中で失禁してしまうのは恥ずかしいことだった。
当然着替えなどは持ってなどいない。
だから暫くの間はこの状態のままでいなければならない。
そんな惨めな自分と化け物を倒したという安心感も手伝って、私の瞳から涙がこぼれた。
一旦こぼれた涙は、止めようとしても後から後から流れてくる。
ボロボロと涙をこぼす自分も失禁してしまったことも恥ずかしい。

//雪乃
『もうやだ……やだよぅ……』

気がついたら、私は子供のように泣き出してしまっていた。
モノクロームの誰もいない世界に私の泣き声だけが響く。
ここから消え去ってしまいたい。
涙と汗と化け物の体液で顔を汚しながら、私はそんな風に思っていた。

//サンタ少女
「大丈夫?」

泣きじゃくる私の肩に優しく手が置かれた。
瞳に涙をためたまま、私は手を置いてくれた人物を見上げる。
そこには化け物に犯されていたというのに、心配そうに私を見つめるサンタ少女の姿があった。

//雪乃
「わ、わたし……よ、よりっ、もっ……」

私よりもあなたの方が大変じゃないという私の言葉は泣いているせいで上手く言葉には出来なかった。
しゃくりあげながら、私は何とか言葉を紡ぎだそうとするけれど焦れば焦るほど言葉は上手く出てこない。

//雪乃
『も、もぅっ……本当に恥ずかしいっ……』

グスグスと鼻を鳴らしながら、私は涙を拭くの袖で拭う。
そんな私の様子をサンタ少女は優しげな笑みを浮かべて見つめてくれている。
肩に置いた手から伝わるサンタ少女の暖かい感触が私を安心させる。

//雪乃
「うっ、うくっ……うえぇぇぇっ……」

安心した途端に、私の瞳からは再び涙が溢れてくる。
慌てて止めようとしても駄目だった。

//雪乃
『な、なんでまた、こんなっ……は、恥ずかしいっ……』

再び泣き始める私に、サンタ少女は何も言わずにずっと側に居てくれた。

……
……

//雪乃
「ぐすっ、ご、ごめんなさい……」

暫く経ってから、私はやっと泣き止んで、サンタ少女にぺこりと頭を下げる。
優しく私を見守ってくれていたサンタ少女は、何も言わずににっこりと優しく微笑んでくれた。

//サンタ少女
「もう大丈夫?」

//雪乃
「あ、う、うん……」

果たしてお礼を言われるのは私なのだろうかと思い、私はキョトンとしてしまう。
だけどサンタ少女はにっこりと微笑んでもう一度私にお礼を言ってくれた。

//サンタ少女
「助けてくれて……ありがと、ね」

私が助けに来るのが遅れてしまって犯されたというのに、何で私にお礼など言ってくれるのだろう。
なんでこんなに笑顔なんだろう。
どうしてこんなに強いのだろう。

//雪乃
『強いんだろうな……それに比べて私は……』

怖くて身体が竦んでしまったり、おしっこ漏らしてしまうくらいなのに。
お礼を言われる筋合いなんてないのに……。
気がついたら、私は思いのままをサンタ少女に向かって喋っていた。

//雪乃
「わ、わたしは……そ、そんなにお礼を言われるようなことは……な、なにも、してない、よ」

//サンタ少女
「えっ? どうして……」

//雪乃
「だって私、怖かったし、助けに来るのが遅れちゃったし……は、恥ずかしくて、おしっこ漏らしちゃうくらいなのに……」

私の言葉をサンタ少女は黙って聞いている。

//雪乃
「だ、だから……お礼なんて言われるのは変だよ……」

泣いたばかりなので、たどたどしい言葉でゆっくりとサンタ少女に伝えていく。
思い出したらまた泣いてしまいそうだったけれど、私は自分の言いたいことは全部サンタ少女に伝えることが出来た。
サンタ少女は最後まで黙って私の言葉を聴いてくれていた。
そして、私が喋り終わるのを見計らってからサンタ少女は優しい口調で私に向かって語りかける。

//サンタ少女
「だけど、それでもあなたは私を助けてくれたじゃない」

サンタ少女の言葉に私は目を丸くしてしまう。
助けに来るのが遅れたことを非難されても私は仕方がないと思っていたというのに、サンタ少女はそれをしなかった。
それどころか、サンタ少女は私を優しく励ましてくれている。
私には、それがとてつもなく嬉しかった。

//サンタ少女
「怖くても、逃げ出したくても、あなたはなけなしの勇気を出して私を助けてくれたじゃない」

//雪乃
「…………そ、それは、でも……」

//サンタ少女
「あなたが私を助けてくれたことに私はとっても感謝している。それは紛れもない事実だし、あなたのおかげで助けられた私がいるの」

サンタ少女は私の目をしっかりと見つめて言葉を続ける。
私はサンタ少女の瞳から目が離せなくなっていた。

サンタ少女
「だからそんなに謝らないで、ね?」

そう言って、サンタ少女は私の頭を優しく抱きしめてくれた。
ふんわりと私の頭が温かいサンタ少女の体温に包まれる。
サンタ少女の優しい言葉と体温の温かさに安心してしまったのか、私の瞳から再び涙がこぼれる落ちていく。

//雪乃
「うえっ、ひっ、ひっくっ……うぇぇぇっ……うぇぇぇぇんっ」

私はサンタ少女に包まれたまま、派手に泣いてしまう。
恥ずかしかったけれど、サンタ少女の優しさに私はもう泣くことを我慢なんて出来なかった。
サンタ少女は優しい微笑を浮かべながら、私が泣いている間中ずっと私を優しく包み込んでくれていた。
私はサンタ少女の優しさに感謝しながら、頑張って一歩を踏みしめて良かったと心から思っていた。


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2010年12月25日

番外編 クリスマスの風景


眼下には、幾人もの恋人達が楽しそうな笑顔を浮かべている。
それらの幸せそうな表情に、胸が締め付けられそうな気分にさせられてしまう。

//雪乃
「あ……ぅぁぁぁ……ひぐぅ…………ぁ……」

わたしは、動けずにいた。
化け物達に延々と数時間以上も犯され、嬲られて、身体中が脱力したように手足を動かす事が出来なくなっている。
そして……わたしの身体は、クリスマスツリーの上に飾り付けられていた。

//雪乃
「ひ……ぎぃ……」

お尻の穴が壊れそう。
クリスマスツリーの先端が入り込んで、わたしのお尻を痛めつけてくる。

化け物のおちんちんよりはマシ……だけど。
異物がわたしのお尻に入り込んでいる事には変わりないし、化け物がわたしのお尻に注ぎ込んだ精液が、今でもグチャグチャしている。
お尻の穴も、おまんこも酷い事になっちゃって、しかもお腹の中で何かが動いているのが理解できてしまう。

//雪乃
「いや……ぁ、や、ぁ……」

お腹の中で動いている、化け物の子供達。
それはわたしのお腹を膨らませて、異様な重さを如実に伝えてくる。

限界値が訪れるのに、そうそう時間はかからなかった。


//雪乃
「ひぎゃあぁぁぁあっ! 産まれちゃ……ッ、産まれちゃう……よぉ……ッゥ!!」

わたしの意識がホワイトアウトしていく中。
おまんこを異物が、内側から外側に向かって出て行く感触が伝わってきた。

雪乃_2010クリスマス絵_完成.jpg

//雪乃
『聖誕祭を……性誕祭にしてしまう……なんて……ッ』

言葉に出来ないなげきを心の中で漏らしながら。
最後にわたしは、緩んだ前後の穴から汚物を垂れ流すしか出来ずにいた。


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2010年12月22日

聖夜乙女雪乃 一章(7)


//雪乃
「わ、私が何とかしないとっ」

だけど、無残な格好で化け物に犯されているサンタ少女を助けに入ろうとした私の足は止まってしまった。

//雪乃
『な、なんで……』

その場から全く動いてくれない自分の足。
私がいくら前進しようとしても、私の足はその場から一歩も動かなかった。
それどころか、気がついたら私の身体は小刻みに震えていた。

//雪乃
『な、なんで……こんなっ……』

自分の身体が震えている。
私が化け物に恐怖しているということなのだろうか。
確かに私は化け物に犯されてしまったけれど……。
だけど、だからといって……。
その場から動いてくれない自分の足を見つめながら、私はどうしたら良いのかわからなくなってしまう。
私は完全に足が竦んでいた。
それどころか、化け物に恐怖すら感じている。
そんなことは認めたくはなかったけれど、小刻みに震える身体と一歩も前に出ない足がそんなことはないということをはっきりと私へと伝えてきていた。
私がその場で立ち竦んでいる間にも、私の目の前ではサンタ少女が触手によって犯され続けている。
遠く離れているというのに、サンタ少女の悲鳴が私の耳に届く。
私はもう見ていられなくなってしまい、思わず顔をサンタ少女から背けてしまう。
自分はもうあんな風にはなりたくない。
サンタ少女を救い出すのを失敗したら、私もまたサンタ少女のように犯されてしまうのは間違いない。

//雪乃
『や、やだ……そ、そんなのは、いや……』

もう自分が犯されるのは嫌だ。
サンタ少女のように酷い目にあうのは嫌だ。
私の思考がどんどんとマイナス方面へと沈んでいってしまう。
サンタ少女を見捨てて、ここから逃げ出したいとすら私は思い始めていた。
だけどその時だった。
ここから逃げるのを許さないとばかりに、私の股間がズキリと痛んだ。

//雪乃
『な、なんで……こんなときに……』

痛みはキリキリと止むことなく私を責め立てる。
まるでここから逃げることを許さないかのように。
痛みに襲われるのも、化け物によって再び犯されるのも嫌だ。
だけど、この痛みはきっと化け物を倒さない限りは消えないだろう。
確信にも似た何かが私にそう訴えかけてくる。

//雪乃
『負けなければいい、化け物に負けなければ……犯されはしないっ!!』

こんな痛みに襲われ続けるくらいなら、その元を断てばいい。
覚悟を決めた私の身体に魔力が満ちてくる。
魔力が満ちてくると共に、私の中から化け物に対する恐怖心も薄らいでいった。
そして、さっきまで一歩も動けなかった私の足は、気持ちの良いくらいに軽く動いてくれた。

//雪乃
『いく……行かなきゃ、そう……うん……ッ』

拳を握りこむと弾けそうな程の魔力が私の拳へと集まってくる。
私の拳が熱を帯びて魔力に包まれていく。

//雪乃
「このぉぉぉぉぉぉっ!!」

大量の魔力が拳に満ちて、私は化け物へと駆け出す。
全身へと行き渡った魔力のおかげで、私のスピードはかなりのものになっていた。
あっという間に化け物との距離を詰めて、私の攻撃範囲に化け物が入る。
突然のことに、化け物は私に対する対応が遅れた。
もちろん私はそれを見逃さない。

//雪乃
「うりゃぁぁぁぁっ!!」

化け物へと拳を振り上げると、私は走り込んだ勢いのまま化け物へと拳を叩き込んだ。
私の拳で化け物の肌がグニャリと変形する。
化け物の気色の悪い感触が伝わるけれど、私は気にせずに拳を化け物に突き立てていく。
ズブズブと私の拳が化け物にめり込んでいき、皮膚を破って化け物の内部に到達する。

//雪乃
「まだまだまだぁぁぁっ!!」

裂ぱく気合を入れて、私は力を抜くことなく拳をめり込ませる。
身体をぶち抜かれた痛みに悲鳴を上げた化け物の体液が私の顔にべったりとかかる。
そこでやっと私は我に帰ることができた。

//雪乃
「はぁっ、はぁっ、はぁっ、はぁっ……」

化け物の体液にまみれた私の身体の下には、半壊した化け物が無残に横たわっていた。

posted by -Noel Valkyrie制作委員会- at 06:47| Comment(0) | TrackBack(0) | 聖夜乙女-雪乃-