2014年01月11日

聖夜乙女雪乃 終章(fin)

女王蟲を倒してから数日後。

私たちはモノクロームの世界にいた。

女王蟲を撃破したからといって、この世界の化け物が全滅したわけではない。

だから、私はネージュと一緒に今日も化け物を退治している。

//ネージュ
「そっちはどう?」

化け物を倒したネージュがこちらに問いかける。

ネージュも魔力が回復して絶好調のようだ。

//雪乃
「問題ないわ」

私も倒した化け物を見下ろしながら答える。

女王蟲を撃破したことによって、化け物たちは弱体化していた。

その中でも多少強かった化け物たちは、女王蟲の死を知ってどこかへと退散している。

残ったのは本当に雑魚といって良いほどの化け物だけだ。

それらは死地を潜り抜けた私たちの相手になどならない。

私たちは一方的に化け物たちを掃討して行った。

//ネージュ
「この辺にはもう化け物はいないわね」

ネージュの言う通り、辺りに化け物の気配はない。

私は安心して警戒を解いてネージュの側へと駆け寄っていく。

//ネージュ
「お疲れ様」

//雪乃
「そっちも」

私たちは顔を見合わせて笑い合う。

まだまだ残った化け物を掃討していかないといけないだろうけど、女王蟲がいなくなったのでもう増えることはない。

ネージュと二人、ゆっくりじっくりやっていけばいいのだ。

そして、私たちが化け物を倒せば倒すほどこの辺りで人々が苦しむことはなくなっていく。

それはとても嬉しいことだ。

だから私はまだまだ頑張れるのだ。

/サンタ/少女
「どうかしたの?」

//雪乃
「ううん、なんでもない」

//ネージュ
「そう、もしかして疲れてる?」

//雪乃
「まさか、全然疲れてないわ」

たくさんの化け物を倒したけれど、まだまだ疲れてなどいない。

ネージュにもそれがわかったのだろう。

彼女は続けてこんなことを言って来た。

//ネージュ
「それじゃあ、他の化け物を倒しに行きますか」

//雪乃
「そうね」

ネージュの提案に私も頷く。

私たちが化け物を早く倒せばそれだけ平和が近くなるのだ。

私がネージュの提案を断るわけがなかった。

//ネージュ
「もう少しで化け物もいなくなるから、頑張りましょうね」

//雪乃
「もちろんっ!!」

私たちは化け物を探して歩き出す。

歩きながら思う。

一杯酷い目に会わされて、化け物にいいようにされて。

泣いたり苦しんだり悲しんだりしたけれど。

それでも、それでも自分が他人の為の何かになれるってことが嬉しかった。

他人に必要とされる存在になれるんだってことが嬉しかった。

私がそんな風に変われたのは、全てネージュのおかげだ。

私の隣を歩いているネージュを見る。

//ネージュ
「なに?」

私の視線に気がついたネージュが私を見る。

//雪乃
「あ、あのね」

//ネージュ
「うん?」

//雪乃
「あのね、ありがとね」

//ネージュ
「ど、どうしたのよ突然」

私の言葉にネージュが驚く。

こんなこと言うキャラではないけれど、私はどうしてもネージュに伝えたかったのだ。

//雪乃
「私は、あなたのおかげで世界が虚しいものではないということがわかったの」

//ネージュ
「…………」

ネージュは黙って私の話を聞いてくれている。

だから私はゆっくりと言葉を続けた。

//雪乃
「それに、あなたがいたから、私は一人じゃないって思えた。私が変われたのは全部あなたのおかげなの」

恥ずかしくて私は自分の服の袖を握る。

どうしてこんなに恥ずかしいのだろう。

いっそ言うのを止めてしまおうかとも思う。

でも、伝えなきゃ、伝えなきゃいけない。

ここで言わないともう切欠が掴めない気がしてしまう。

だから私は、大きく息を吸って心を落ちつかす。

それからネージュの方を見て、ゆっくりと口を開いたのだった。

//雪乃
「だから、だからね、ありがとう」

//ネージュ
「あっ……」

//雪乃
「私はあなたのおかげで色々なことを知ることが出来たの。だから、本当にありがとうね」

ネージュに伝えて、照れくさそうに微笑む。

私の言葉を呆気に取られて聞いていたネージュはブンブンと首を振った。

//ネージュ
「ううん、お礼をいうのはこっちの方、私だってあなたにどれくらい助けられたのかわからない」

//雪乃
「そ、そんな」

//ネージュ
「女王蟲を倒したのだってあなただし、私の方こそありがとうだよ」

ネージュはそういって私の手を強く握る。

そのまま暫く見詰め合う私たち。

//ネージュ
「ぷっ、くくっ……」

//雪乃
「くっ、くふっ……」

やがて私たちはどちらかともなく笑い出す。

//ネージュ
「あはっ、あはははははっ」

//雪乃
「な、なに笑ってるのよっ」

//ネージュ
「あ、あなただって……あ、あははは」

モノクロームの世界に私たちの笑い声が響く。

まだまだ私の人生は続き、女王蟲の残した相手とも戦う日々は続くことだろう。

そして、もしかしたらまた女王蟲が現れるかもしれない。

だけど私の隣にはネージュがいてくれる。

それに、これからの自分は今までよりもずっと前向きに戦っていける。

ネージュと一緒に笑いあいながら、私はそう感じていた。



posted by -Noel Valkyrie制作委員会- at 01:57| Comment(0) | TrackBack(0) | 聖夜乙女-雪乃-
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