2010年09月15日

聖夜乙女雪乃 一章(2)



//雪乃
「も、もぅっ……離してっ……離しなさいってばぁっ!!」

 私がいくら身体をバタつかせても触手は離れない。
 その間も、私の身体は徐々に空中へと持ち上げられていく。
 空中に持ち上げられていっては、身体に力を入れて踏ん張ることもできない。
 私の身体は化け物によって、徐々にその自由を失っていった。

//雪乃
「このっ……だ、だめっ……は、離れないっ!!」

 私の目の前にさらに大量の触手が迫ってくる。
 以前に犯されそうになった時の記憶が蘇り、私は思わず身震いしてしまう。

//雪乃
「く、来るなっ……来るなぁっ!!」

 私の声など化け物には届かない。
 それがわかっているというのに、私は叫ばずにはいられない。
 身体に危険が迫っているのだ。
 嫌でも本能で叫んでしまう。

//雪乃
「こ、このっ……離せっ……く、くぅっ……このっ……このぉぉぉっ!!」

 私の叫び声とは裏腹に、私の身体を固定していない他の触手はクネクネと蠢きながら私の身体を這い回り始める。
 気持ちの悪い触手の感触に私は思わず身震いしてしまう。

//雪乃
「やっ、いやぁぁぁぁっ!! さ、触らないでっ……触らないでよぉっ!!」

触手が私の服の隙間から内部に入り込んでくる。
直接私の肌に触手が触れて、私は身の毛もよだつような恐怖に襲われてしまう。

//雪乃
「ひいっ!! ひっ、やぁぁっ……やぁぁぁぁぁぁっ!! そ、そんなっ……や、やぁっ……ま、まさかっ……ひっ、い、いやっ……いやぁぁぁぁっ!!」

まるで赤子のようにジタバタと激しく暴れるけれど、いくら暴れたところで化け物の触手は離れてはくれない。
それどころか、ついに私の股間に触手が直接触れてしまう。

//雪乃
「ひぅっ!! や、やぁっ……こ、このっ……さ、触るなっ……触るなぁっ!!」

 私の言葉が虚しく響く。
 言葉で訴えてみた所で止まるはずが無いし、そもそも相手にはこちらの言葉が通じているはずがない。
 ただ、その訴えが無駄だと理解していながらも、反射的に叫ぶ事を止められない。

 ……化け物に、私の初めてを奪われたく無い……ッ。

 腕にこもる力が高まっていき、また触手を一本強引に剥がす。
 でも、別の触手がまたも私の腕へと絡まって、動きを強引に封じてくる。
 まるでどう対処すればいいのか、それを理解しているかのように、化け物に反応は的確すぎる動きだった。

//雪乃
「やめてっ、邪魔しないでよぉっ!! やだっ、やだやだぁっ、やだってばぁ!」

 私の股間をグリグリと触手がなぞってくる、こんな薄皮一枚の布きれなんかじゃ守りきる事なんて出来ない。
 あまりに頼りない最後の砦が、触手に押されて繊維がちぎれそうになっていくのが、空気から伝わってくる。

 嫌……嫌っ、嫌……ッ。

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 ぐぶっ

//雪乃
「ひ、ひぎっ……ひぎぃぃぃぃぃっ!! いやぁっ、入って、入ってるぅぅぅッ!?」

 辺りに私の絶叫が響く。
 激しすぎる痛みが私を襲い、身体中に満ちていた力がカクンと抜ける。
 視界の隅では、股間の布地が破れており、私は逃げることも忘れて悲鳴を上げることしか出来ない。

//雪乃
「あ、あがっ、い……いた……いッ、いたああぁぁぁっ! ひ、ひぎっ……あああっ、くはぁっ……ぬ、抜いてっ……抜いてぇぇぇぇっ!! ひぁぁぁぁっ……だ、だめっ……な、なかでっ……う、動かない、でぇっ……ひぎぃっ……うはぁぁぁっ……」

 ビクビクと痛みに私の身体が痙攣する。
 触手はそんな私をさらに苦しめるかのように、膣の奥へ奥へと進んでいく。
 私の膣内を強引に触手がこじ開けて奥へと進む。
 その度に身体が引き裂かれそうな痛みに私のノドから絶叫がほとばしる。
 身体を文字通りに内側から引っかき回される感覚は、おぞましい上に、痛みに満ち満ちていた。

//雪乃
「うぁ、ああああっ……や、やめっ……こ、こんなのっ……こんなのって……ひぎっ……ひぁぁっ……ひぐぅっ……はぁっ……うぁぁぁっ……」

 痛みに苦しみながら手足をバタつかせる。
 だけど、手足に絡みついている触手は緩まる様子も無く、身体の自由は相手に奪われている状況が続く。
 手足に力を込めたくても、犯されている事で股間から伝わる痛みが、そんな私の行動を疎外してくる。
 そのうち、痛みに慣れ始めたのか、私の膣中で蠢いている触手の動きが徐々に理解出来るようになってきた。

//雪乃
「ひぐぅっ!! あ、あひっ……くぅっ……ふぁぁぁっ……あ、はぁぁぁっ……くっ、や、やぁっ……ひぎぃっ!!」

 あまりの痛みに、私の瞳からは涙がこぼれる。
 すでに私の顔は涙と自分の汗でグチャグチャに汚れていた。

//雪乃
「くぅっ!! も、もぅっ……ひぁっ……ひぎぃっ……は、はぁっ……うぁぁぁっ……あ、うぁっ……あ、あぅっ……ひぎぃっ!!」

 私がそんな酷い状態だと言うのに、化け物の責めはちっとも軽くならない。
 相変わらず、私の膣壁をこすり上げながら私の膣奥へと進んでいく。
 グネグネと蠢く触手に私の膣内が広くこじ開けられ、自分の身体が化け物の生殖器によって形を造り替えられてしまう。
 それはまるで、化け物の肉棒を私が受け止める為に最適化させられているようにすら思えた。

//雪乃
「ひぎぃっ……も、やぁっ……やめっ……ひぁぁぁっ……お、お願いっ……お願いだからっ……わ、わたしっ……も、もぅ……こ、壊れっ……ひぎっ……ひぎぃぃっ……やぁっ……も、こ、こんなのっ……やぁぁぁっ!! ひぁっ……うぁぁぁぁっ!!」

 まるで陸に打ち上げられた魚のように私の身体が痙攣していく。
 私はもう、ろくな抵抗も出来ずに化け物の触手に好き勝手に犯され続けるしかできず、ただあえぐしか出来ない。
 そんな抵抗が許されないという状況は、さらに私の心を惨めにさせるばかりだった。

//雪乃
「も、もぅ……やらぁっ……こんなっ、い、痛いのっ……やぁっ……いやぁぁぁっ!! 誰かっ……誰か助けてよぉっ……な、なんで私がっ……こ、こんな目にっ……やぁっ……もうやだぁぁぁぁっ!!」

 でも、助けがくるはずも無い。
 以前、生身で助けに来るような無茶をした時、私はサンタ少女に対してこっぴどく文句を言った上で、助けに来るような真似はしないようにと強く繰り返して告げた。
 だから彼女が助けに、来るはずなんて……ない。

//雪乃
「ひぎぃぃっ……ひ、やぁっ……ま、またっ……激しくっ……だ、だめっ……そ、そんなっ……は、はげしっ……激しくしないでぇっ!!」

 触手の動きが激しいものへと変わり、私はさらに激しい絶叫を上げてしまう。
 外からでもわかるくらいに私の下腹部で触手が暴れているのがわかった。
 そうやって触手が暴れれば暴れた分だけ、私の股間は、性器が、化け物の物にさせられていってしまう。
 私のオマンコが……化け物に壊され、蹂躙されていく。

//雪乃
「も、やぁっ……やめっ、わ、わらひっ……こ、こわれっ……ひぎぃっ……ひぁっ、あぅっ……やぁぁっ……ひ、ひぎぃっ……うぁぁっ……あ、あひっ……ふぁぁぁっ……ひぎっ……も、やぁっ……いやぁぁぁっ!!」

 苦しみ呻く私を尻目に、触手の動きはさらに激しさを増していく。
 そしてついに、私の膣奥で化け物の触手から大量の精液が私の膣内へと流し込まれていった。

//雪乃
「ひぁっ、ひぁぁぁっ……や、やだぁ、な、なにかっ……で、でてるっ……私の中でっ……何か出てるよぉっ……いやっ、やぁぁぁぁっ!!」

 生暖かい精液の感触が私の膣内へと拡がっていく。
 私は口をパクつかせながら、流し込まれてくる精液をただ黙って受け止めることしか出来なかった。

//雪乃
「や、やぁ……いやぁっ……こ、こんなにっ……だ、だされたらっ……ひぁっ……やぁっ……」


 射精されたショックで私の身体がヒクヒクと小刻みに震える。
 そんな中、膣内に入りきらなかった化け物の精液が触手と私の膣の間から外へと漏れ出してきていた。
 まるで妊婦のように化け物の精液で膨らんでしまった腹部を見てしまい、私の口から嗚咽が漏れる。
 こんな大量に精液を流し込まれたら、化け物の子供を妊娠してしまうかも知れない。
 そんな嫌な考えが頭をよぎってしまい、私は自分の心が絶望感に支配されていくのを感じていた。

 でも、それでも化け物による蹂躙が終わるような事も無い。
 私の四肢は相変わらず触手に絡みつかれたまま、股間を蹂躙されるしか出来ない。

//雪乃
「やぁぁぁ……うわぁぁぁぁ……こ、こんなのっ……やぁ、やだよぅ……ひっ、ひくっ……」

 いつになったら終わるの?
 この凌辱劇から逃れる事は出来ないの?

 私の中に生まれた疑問は、急に不安へと化学変化を起こした。
 帰りたい、この場から逃れたい、とにかく逃げ出したい、もう犯すのを辞めて欲しい、とにかくどうにかして欲しい。

 やだ、やだ、やだ。
 お願い、逃がして。
 おうちに帰して。

//雪乃
「やだぁっ! やだ……やだやだ……いやぁっ、やだよ……ッ、やめ……やめてぇ……もう、犯さないで……おかさないで……おねがい、おねがいだから……」

 相手に言葉なんて通じない。
 通じるぐらいなら、私は犯されてなんていない。
 だけど、今、必死にお願いする以外の事が私には出来なかった。

 神様でも、何でもいいから。
 とにかく私を、この場から助けて欲しい……。

//雪乃
「あぎいいいいいッ!?」

 そう願って叫んだ瞬間、私の股間で激しい痛みがふくれあがる。
 痛みによって生まれた身体の歪み、それは胎内で新しい息吹が生まれたかのような錯覚を起こさせる。
 それと同時に、あまりに酷すぎる痛みに私の意識は一気に刈り取られ。


 ……そのまま、暗闇に、飲み込まれた。



アンケートみたいなもの
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2010年09月08日

聖夜乙女雪乃 一章(1)

 誰もいないモノクロの街中を化け物の方へと駆けていく。
 私には、探してもいないのにどこに化け物がいるのかわかる。
 身体中に満ちる不思議な力、サンタ少女の魔力によって鋭敏になった感覚が、化け物の場所を私に知覚させる。


//雪乃
「頑張らなくちゃ……頑張らなくちゃ……ッ」

 そんなことを呟きながら走り続ける。
 以前、私が化け物と戦う時には、サンタ少女が助けに来てくれた。
 だけど、力を私が持っている以上は、サンタ少女は無力な訳で、そんな状態で助けに来られても意味が無い。
 だから今日は、絶対に助けに来ないようにと、そう強くお願いして言い聞かせた。
 そういう風にサンタ少女にお願いした以上は、頑張らないといけない。

 化け物がいる場所まではもう少しのはずだ。
 嫌でも私の身体が緊張してくる。
 身体を強張らせながら、私はビルの角を曲がる。
 その瞬間だった。
 突然、私の目の前に黒い影が現れたかと思うと、次の瞬間には私の身体ははじけ飛んでいた。

//雪乃
「なっ!? な、なにが……?」

 頬に激しい痛みが走り、私はアスファルトの地面に転がされてしまう。
 まだ痛みの響く頭を押さえながら、私は衝撃を受けた方向を見る。
 そこには、化け物から伸びた触手があった。
 攻撃を加えてきたのはこの触手なんだと、いやがおうにも私は理解させられる。
 触手は私の目の前でウネウネと蠢いて、こちらへと襲いかかろうという意志を剥き出しにしていた。

//雪乃
「こ、このっ……」

 痛みをこらえながら、私は素早く立ち上がる。
 だけど、それよりも早く化け物の触手による第二撃が私を襲いかかってくる。

//雪乃
「きゃあっ!!」

 避ける間もなく、私は再び触手の攻撃を受けて吹っ飛ばされてしまう。
 視界がぐるぐると勢い良く回転し、メリーゴーランドのようにモノクロの世界が勢い良く流れていく。
 身体のあちらこちらがアスファルトの地面をこすり、その度に皮膚が削れて痛みがじわりとひろがる。
 何回転ほどしたかは、わからない。
 ただ、回転が終わった時、私の身体中はすっかりと痛みに支配されていた。

//雪乃
「こ、この……い、いつまでも、調子に乗らないでよねっ!!」

 傷だらけになりながらも、私は立ち上がろうと、地面に手をついて大きく叫ぶ。
 だけど、こちらが体勢を立て直すよりも早く化け物の触手が、素早く私に襲い掛かってくる。
 襲ってきた触手の初手を転がって回避し、その勢いで手が地面を叩く。
 強引に私は素早く立ち上がって、相手の方を向き直った。
 だけど、化け物の攻撃は止まらない。
 こちらが回避したのを理解したのか、化け物はさらに別の触手を二本同時に伸ばして私に襲いかかる。

//雪乃
「く、この、やっ……」

 風を切る鋭い音を立てて、触手が私のすぐ側を通り過ぎていく。
 何とかかわしてはいるけれど、化け物には反撃にうつる隙がない。
 私に出来ることは、化け物の触手を交わし続けて、隙をみつけて懐に飛び込んで行くだけだ。
 それなのに、化け物の触手の動きはこれまでの化け物と比べ物にならない位に早い。
 先日に遭遇した事のある連中とは、明らかに桁が違う……。

//雪乃
「あうっ!!」

 化け物の触手が私の頬をかすり、皮膚が裂けて血がにじむ。
 どうにか相手の攻撃を見る事が出来るのは、サンタ少女の力のおかげなのだろう。だけども、襲いかかってくる相手の手数の多さに対抗する手段が無い。
 こっちの身体を絡め取ろうとして延びてくる触手を、どうにか必死になってかわしているのが精一杯だ。

//雪乃
「くっ、いつっ、あ……だめっ……か、かわすのでっ……せ、精一杯にっ……』

 ジリジリと後退していく私の身体のアチコチに触手がかすっていく。
 このままでは触手の直撃をもらってしまうのは時間の問題だった。
 私がアレコレ考えている間にも、化け物は触手での攻撃を止めない。

 タイミングを計って、飛ぶ込むしか無い……。

//雪乃
「くっ!!」

 自分に向かってくる触手を何とかかわしながら、私は化け物の本体へと突っ走る。
 魔法によって強化されている私の身体は、自分でも驚くくらいに素早く反応して化け物へと突っ込んでいく。

//雪乃
「これなら……ッ!!」

 まるで雨のように降り注ぐ触手を私は踊るようにして間一髪でかわしていく。
 ところどころ私の身体に触手がかするけれど、私の勢いを止めるような威力ではなかった。
 あともう少しで私の手が届く距離に化け物が入る。
 だけど、化け物もそう易々と私の接近を許さない。
 再び私へと向けて触手を伸ばしてきた。
 今度は手足を狙うのではなく、触手は一直線に私の身体へと伸びてくる。
 触手の切っ先はするどくて、下手をしたら身体に突き刺さりそうな程の勢いだった。
 怖いと思う暇さえなく、私は必死に触手をかわす。
 かわした触手がアスファルトの地面を凹ませる様子が、視界の隅で確認できた。

 背中に冷たいものが流れ、私は目を見開いて必死にかわし続ける。

//雪乃
「うわっ!!」

 そろそろ本体に手が届くというそのとき、私の真正面に最短距離で触手が伸びてきた。
 スピードを残したまま、私は身体を半身にして触手をかわす。
 触手は私の服を破っただけで、そのまま後ろへとすり抜けていく。
 その触手が化け物を守る最後だったのか、私の目の前には化け物の本体があった。

//雪乃
「いくわよっ!!」

 拳を握りこんで、私は化け物へと殴りかかる。
 そのときだった。

//雪乃
「な、きゃぁぁぁっ!!」

 私の視線に急に影が入ったかと思うと、私は思いっきり吹っ飛ばされていた。
 何が起きたのか理解できないまま、私の身体は地面を転がっていく。

//雪乃
「っ……い、いたぁ……はっ!!」

 痛みに苦しんでいる暇さえない。
 追撃とばかりに、私の身体に触手が雨のように降ってくる。
 体勢の整っていない私に、その攻撃を避けるだけの余裕などはなかった。

//雪乃
「きゃっ、やぁぁぁぁっ!!」

 私の身体のあちらこちらに触手がぶつかる。
 身体をくねらせて避けようとしても、後から後から降ってくる触手に対応することが出来ない。

//雪乃
「ふぐっ!! あ、はがっ!!」

 私の腹部深くに触手がめり込む。
 肺の中の空気が一気に外へと出されてしまい、息をするのも苦しくなってしまう。
 そんな状態だというのに、触手の攻撃は一向に収まる気配をみせない。
 振り下ろされる触手をかわして立ち上がろうとしても、すぐに次の触手が私を攻撃して態勢を整える暇を与えてはくれない。
 私は地面に磔にされたままの状態で、身体中を触手で叩かれてしまう。
 硬いアスファルトの地面は触手の攻撃を吸収してくれるどころか、痛みを倍増させる。
 激しい痛みが全身を襲い、私はもう心が折れてしまいそうだ。

//雪乃
「ひぎっ!! うあぁっ……やぁっ……ぐふぅっ!!」

 だからといって、何とかしようにも身体は言うことを聞いてはくれない。
 起死回生の案があったとしても、触手に殴られている中で考えられるわけがなかった。

//雪乃
「も、くっ……やめっ……ひぎぃっ!! ぐ、ぐふっ……きゃぁぁっ!!」

 殴られ続けられることが、こんなに酷いとは思わなかった。
 どんなに謝ったってきっと化け物は触手での攻撃を止めてはくれないだろう。
 もしかしたら、化け物は私が死ぬまで攻撃を止めないかもしれない。
 死体になっても攻撃を続け、肉片になってから、そこでやっと化け物の攻撃は止まるのかもしれない。
 自分が肉片になってしまった姿を想像してしまい、私の身体が震えてしまう。


 そんな大変なことになるなんて想像もしていなかった。
 ただあの少女の代わりに戦って、勝てば良いのだと思っていた。

 だけど、現実はそんなに甘くはなくて。
 戦うということは、いつでも勝てるというわけではない。
 私は最初から化け物相手に戦って勝てたから、自分が負ける事なんて考えなかった。
 ……違う、

 戦うということは、こんなにも痛くて怖いことだったんだ……。
 このままでは死ぬという恐怖感が、一気に私の身体を包み込んでいく。

//雪乃
『や、やだっ……こ、こんなとこでっ……し、死にたくない……』

 だけど、一旦弱気になってしまった私の心はもう立ち上がることはなかった。
 襲ってくる触手をかわそうにも、恐怖に目をつぶってしまいろくに避けることすら出来ない。
 ほとんど無抵抗のままで、私は触手の攻撃を浴び続けてしまう。

//雪乃
『やだ、もう……こんなの嫌だよぅ……誰か助けてっ……』

 激しい痛みの中で助けを求めるけれど、私を助けてくれる人が現れるわけがない。
 助けなきゃいけない立場なのは私で、ここでこうして化け物の攻撃を浴び続けて転がっていていい訳がない。
 だけど、私は恐怖と痛みに支配されてしまい何もする気が起きなかった。

//雪乃
「や、やだっ……ひぎっ……やぁぁぁっ……」

 あまりの恐怖に耐え切れなくなってしまい、私の股間が不意に熱を帯びる。
 心の自由に対して身体が勝手に動き出し、自分の小便で私の股間がジンワリと濡れていくのを自覚した。
 そんなこちらの様子に反応したのか、触手が私の股間へと伸びてくる姿が見える。

//雪乃
「ひっ、いやっ……こ、こないでっ……そんなとこっ……さ、触らないでっ……」

 濡れたままの股間を触手に触られてしまい、思わず私の身体が反応してしまう。
 漏らした状態だというのに、触手に反応してしまう自分が恥ずかしい。
 私は身体を触手からずらそうとするけれど、他にも伸びてきた触手がそれを許してはくれない。
 気がついたら、私の身体は身動きが出来ないように触手によって手足を絡め取られていた。

//雪乃
「そ、そんなっ……や、やだっ……離してっ……離してよぉっ!!」

 ジタバタと力の限りに暴れるけれど、触手はビクともしない。
 それでもここで諦めるわけにはいかない。
 だけど、いくら暴れてみてもやっぱり私の身体は自由にはならなかった。
 『や、やだ……こ、このままじゃ……お、犯されちゃうっ……』
 以前に化け物によって犯されそうになった時のことが嫌でも思い出されてしまう。

//雪乃
「そ、そんなの嫌っ……こ、このっ……離してっ……離してよぉっ!!」

 化け物によって犯されてしまうという恐怖に私の身体がすくんでしまう。
 それでも何とか逃れようと私は手足に力を込めて抵抗する。
 だけど、完全に弱気になってしまった私の抵抗など化け物にとっては何でもないのだろう。
 私は完全に身体の自由を奪われ、祭壇に捧げられた供物のように抵抗する事も出来ない状況へと追い込まれていた。

//雪乃
「いやぁっ……やだっ……離してっ……離してよぉぉっ!!」

 まるで赤ん坊のようにイヤイヤと私は首を左右に振ってせめてもの抵抗を見せる。
 化け物はそんな私をあざ笑うかのように、これから犯してやるとでも言いたげに私の顔の前で触手をこれ見よがしに動かす。

//雪乃
「ひっ……や、やだ……お願い……お、お願いだから……や、やぁ……」

 あまりの恐怖に、私の股間からもう一度小便がピュッと軽くほとばしってしまう。
 だけどもうそんなのは恥ずかしくも何ともない。
 私の頭の中には、これから化け物の触手によって犯されてしまうという恐怖感が完全に満たしていた。

//雪乃
「いや、いやぁぁぁぁっ!! だ、誰かっ……誰か助けてよぉぉっ!!」


 人気の全くないモノクロームの世界に、私の悲鳴だけがこだまして……いた。

posted by -Noel Valkyrie制作委員会- at 20:00| Comment(2) | TrackBack(0) | 聖夜乙女-雪乃-

2010年09月03日

聖夜乙女雪乃 序章(5)



 少し低くなった目線。
 わずかに細くなった手足、軽くなった身体。
 それが自分の身体とは思えないの、だが……。

//雪乃
「これは、私……だよね……?」

 窓に映り込んだ自分の姿は、どう見ても、どこから見ても、自分だ。
 むしろこの姿は、過去の自分だったんじゃないだろうか……。
 しかし、多少違う所があったりする。
 今の私が着ている服装は身体のラインが出るような、ピッタリとしたサイズの衣装。まるで水着を想像させるような、純白の色合い。
 それにサンタクロースがかぶっているような三角の形をした、真っ赤な帽子。
 長手袋とブーツも、帽子と合わせたように真っ赤な色だ。
 軽く首を左右へと振ると、視界にチラリと飛び込んでくる髪の毛。普段の私は黒髪なのだけど、この髪の色は淡い桃色をしていた。
 こんな桜色の髪の毛なんて見た事が無い、まるで妖精なんじゃないだろうかと、そんな思考すら頭によぎる。

//雪乃
「……ッ!?」

 そこまで考え、私は慌てて思考を引き締める。
 身体中に力が満ちているという状況からすると、これがその副作用みたいな物なんじゃないだろうか?
 だとしたら、この格好というのが、今の私にとっては最も力が出せる姿格好なのだろうと判断出来る。

//雪乃
「やらなくちゃ、いけないんだよね」

 先日に言葉だけでかわした約束。
 あの少女の代わりに戦う事を決めたのだからと、私はグッと気持ちを噛みしめるようにして拳を握った。
 世界から色が消えてモノクロに変化したということは、どこかに化け物が出現したということだ。

//雪乃
「ん……ッ」

 軽くうなずく。
 自分が住んでいた世界から隔絶された、無音の空間。
 それは、わずかな音でも関知しやすいという事につながる。だから先日の化け物みたいな生物が、どのあたりに存在しているのか。
 何となくこう、理解する事が出来た。
 私は自分の頬を両手ではたいて気合を入れると、化け物のいる場所へと勢いよく走り出す。
 地面を蹴るだけで、一気に景色が流れていく感触。
 それは普段の自分では絶対に出す事の出来ない、自動車などが出すようなとてつもない速さだった。
 身体を包み込む風の流れは強く、文字通りに空気を裂きながら私はモノクロームの街を疾走していく。
 聴力も、視力も、脚力も、不思議な力が満ちている事によって、そのすべてが強化されているのだろう。
 想像を超える自分の軽さをわずかに楽しんでいるが……その終わりは、思っていたよりも早く訪れる。
 視界に飛び込んできた化け物、それは先日に見かけたのとは違う形状をしていた。

//雪乃
「卵……と、うねうね……?」

 ニワトリの卵をものすごく巨大化させて、人間の頭ぐらいのサイズになっている部分が本体で。そこから手足のように、触手が幾本も伸びている。
 それは地球上に存在しているどの生物にも似ていない、グロテスクな姿だった。

//雪乃
「……もしかしたら深海に似たような生物がいるかもしれないけど。でも、やっぱり気持ち悪い……なぁ……」

 化け物は、相変わらず身体から生やしている触手を空中でくねらせている。
 正直、気持ちが悪い。
 依然アレの仲間に犯されそうになった経験から、私は思わず身震いしてしまう。

//雪乃
「……ッ!」

 息が詰まり、身体が竦んでしまった。
 自分の足が小刻みに震えて、化け物を前にしておきながら、犯されるであろう恐怖感が胸の奥からにじみだしてくる。
 じわり、じわりとしたどす黒い感覚。
 その不気味さと得体のしれない状況に追い込まれながら、自身がどのような行動をすればいいのかわからなくなってしまう。

//雪乃
「た、戦わなくちゃ……戦わなくちゃ……ッ」

 そうしないと、自分が犯される。

 化け物が自分の方へと、徐々に迫ってくる。
 その動きは芋虫が這うように、ゆっくりとした動きで、とてもスローモーションに感じられる。
 一秒で1センチぐらいの距離しか近づいて来ていないんじゃないだろうか。
 私が今さっき全力で走った時の速度を考えれば、余裕で逃げる事が出来る。ここでくるりと背中を向ければ、絶対に追いつかれるはずが……ない。
 そうすれば、この化け物に犯されるような事なんて絶対無いに決まっているのに。
 なのに……ッ。

//ネージュ
「逃げてッ!」

 突然に響いた、凛とした声。
 鐘の音色を思わせるような涼やかな響きに、私の身体を縛り付けていたような感覚から解放される。
 全身に絡みついていた重圧という糸はほぐれ、こわばっていた身体が動くようになった事を自覚した。
 そして私の前に、サンタ少女の姿が現れる。

//雪乃
「……ぇッ!?」

 どうして、変身する事が出来ないのに……。

//ネージュ
「無理しないで、大丈夫だから!」

 私の前に立って、かばおうとしたの?

//雪乃
「な、なにやってるのよおっ!!」

 変身能力のないサンタ少女なんて、そこら辺の一般人となんら変わらない。
 それなのに、彼女はこんなにふがいない私を庇おうと、変身能力を失いながらも危険を顧みずに飛び込んできた。
 サンタ少女は私の方へと向けて、わずかに笑みを浮かべていた。
 それを化け物が見逃すわけがなかった。
 化け物の触手が一直線にサンタ少女を獲物とするために伸びていく。

//雪乃
「あ、危ないっ!!」

 私は慌てて駆け出して、サンタ少女を抱きしめると向かってくる触手をかわして地面へとダイブする。
 砂煙を上げながら、私たちの身体が地面を滑る。
 硬いアスファルトに身体が削られてわずかに痛い。
 けれど、私はサンタ少女が怪我をしないようにギュッと彼女の身体を抱きしめ、彼女が襲われなかった事に安堵のため息を漏らす。

//雪乃
「どうして……ッ、変身できないのに。ここに、来たの……?」

 素早く立ち上がり、体勢を整えながら呆然としているサンタ少女に、そんな疑問の言葉を口にする。
 彼女の行動はとても非合理的すぎる。
 この、私の身体に化け物として戦う力があるのに、何も持たないで飛び込むなんて自殺行為でしか無いのに。

//サンタ少女
「それは……ッ」

//雪乃
「ごめん、やっぱり……いい。後で、聞かせて」

//サンタ少女
「あっ」

 そうだった。
 何も慌てて、その理由を彼女の口から聞き出す必要は無い。
 むしろ今は目の前にいる化け物をどうにかしないといけないのだから。
 話ならいくらだって後からでもする事が出来る。

 私は再び、化け物と向かい合う。
 自分の背中にサンタ少女がいる状態、これでもう逃げる訳にはいかない。

//雪乃
「動いて……私の身体、動いて……ッ!」

 力強く、私は拳を握り込む。
 護る者がいるせいなのかそれはわからない。
 だけど、私にはもう化け物に向かっていくことに迷いはなかった。

//雪乃
「こっのぉぉぉぉっ!!」

 さっきは地面に足が縫いつけられているように、まったく動く事が無かった足。
 それは羽根が生えているように軽やかに地面を蹴って、勢い良く私の身体は化け物との距離を縮めていく。
 こちらの敵意を感じ取ったのか、化け物は水音をグチャリといわせながら触手をしならせて襲いかかってくる。
 だけど、その動きはすべて私の目が捕らえていた。
 飛来する触手の先端を、左右へとステップしてかわしながら、私は化け物の懐へと入り込んでいく。

 私が負ける要素は何一つ見当たらなかった。

//雪乃
「うりゃぁぁぁぁっ!!」

 化け物の身体に私の拳が深々とめり込む。
 まるで爬虫類を殴っているかのような気色の悪い感触に、私は思わず顔をしかめてしまうけれど、そんなこと気にしている場合ではない。
 間髪いれずに、私は何度も何度も拳を化け物に振り下ろす。
 魔力を帯びた私の拳が化け物を破壊していき、化け物の身体からは体液が漏れ出していく。
 小さく化け物が悲鳴のような、珍妙な泣き声をあふれさせる。
 それは相手がほとばしらせている、悲鳴なのかもしれない。

//サンタ少女
「……頑張って!」

 背中に届くその声に、私の中で気合いがさらに高まっていく。
 少なくとも、女の子を犯すような化け物、人間に害を与えるような化け物を生かしておいたら、私達が襲われてしまう。
 自分を守るために、サンタ少女を守るために、私は高く拳を振り上げて……。

//雪乃
「これで、おしまいっ!!」

 渾身の力を込めた一撃。
 それが化け物の身体に深々と突き刺さる。
 化け物は断末魔の悲鳴を上げて、ゆっくりと地面へと倒れこむ。
 身体を化け物の体液で汚しながら、私は化け物に止めを刺そうと近づくが、化け物はピクリとも動かない。

//雪乃
「ふぅ……はぁ……や、やった……」

 化け物を倒して安心した私の身体から力が抜ける。
 一息ついて、思わずぺたりと地面に座り込んでしまった私の側にサンタ少女が駆け寄ってくる。

//サンタ少女
「す、すごいすごい」

//雪乃
「うわ、うわわわっ」

 化け物の体液で汚れているというのにも関わらず、サンタ少女はかまわずに私に抱きついてきた。

//雪乃
「こ、こらっ……よ、汚れてるからっ……は、離れてっ……」

 私がそう言っても、サンタ少女は私から離れない。
 サンタ少女は目を輝かせたまま、化け物を倒した私を褒めてくれる。

//サンタ少女
「こんな簡単に化け物を倒すなんて、すごいよ、本当にすごい」

 呆気にとられている私を尻目に、サンタ少女は無邪気に喜んでいる。
 褒められ慣れていない私は、こんなときにどんな顔をして良いのかわからない。
 だけど、サンタ少女の言葉に私の心が熱くなるのがわかった。
 気がついたら、私の瞳からは何故か涙がこぼれだしていく。

//雪乃
「あ……れ……っ?」

//サンタ少女
「ど、どうしたのっ? もしかしてどこか怪我した?」

 突然泣き出してしまった私にサンタ少女が慌てる。
 私は慌てて涙を止めようとしたけれど、涙は後から後から流れてくる。

//雪乃
「ううん、何でもない……何でもない、から……」

//サンタ少女
「で、でも」

//雪乃
「ほんとに、何でもないから……」

 今まで他人に褒められたことなんてなかった。
 勉強をしても、スポーツをしても、何をやっても世界はいつだって厳しくて、自分がどれだけ頑張っても無意味だと思っていた。

 そもそも、他人との関わりを避けて生きていたのだから。
 目立たないように、目立たないようにと。

 だから、こうやって、私の顔を見て。
 私が誰かを助けるという事が、出来たという事実。
 それによって、誰かが微笑んでいるというが……とても、なんだか、じわりと、胸の奥で熱くて。
 熱くて。

//雪乃
「なんでも……ないんだよ…………ッ」

 嬉しいんだろう。
posted by -Noel Valkyrie制作委員会- at 09:52| Comment(0) | TrackBack(0) | 聖夜乙女-雪乃-